私は見た!
私は繊細な性格のため、よく金縛りにあいます。
よくあうので、慣れっこになっているのですがその晩は特にひどかったのです。なぜかなかなか眠れずにいると、耳元でキーンという音が鳴って遠くの方から、メンタイピンツモドラドラ〜とお経の声が聞こえてきました。
それを聞いているうち次第に息をするのが苦しくなり、足を引っ張られているような感じがしました。普段は思い切って叫ぶと、金縛りが解けるのですが、声が出ません。
そのうち金縛りが解け、思い切ってガバッと起き上がると、枕もとに誰かが正座していました。そして、立ち上がりじわじわと近づいてきます。
それは、よくみると私の小学校時代の友人、M美でした。
「どこから入ってきたの」と聞いても黙っています。そして、ふっと消えてしまいました。夢だと思っているうちに白々と夜も明けたのです。
いつものように出勤しようとしていると電話がかかってきました。
M美でした。やっぱり夢だったのだとわかって、話す声も弾みました。
しかし、彼女の口調はひどく沈んでいてわざわざ朝早くに電話してきたのに、用件もはっきりいわない。
それでも私は「久し振りなのでとにかく会おう」と、会社の近くの喫茶店で待ち合わせる約束をしました。
私は時間ぴったりに喫茶店に着きましたが、彼女はなかなか来ません。どうしたのだろうと思っていると、後ろから私を呼ぶ声がしました。
振り返るとM美が立ってました。私はずっと入り口を見ていたのに、どこから入ったのだろうと不思議に思いました。
まあ、ほんとにお久しぶりでしたので話したいことは沢山あります。
ところが、彼女は席に着くのもそこそこに、もう出ましょう、と言いました。お店を出て、一緒に歩きながら何とかこの場を盛り上げようと、「今度みんなで会おうよ」というと彼女は、
「いいよ、もうじきみんな私に会いにきてくれるから」
と言い、そして、「それじゃあ」と帰ってしまったのです。
いったい、そっちから連絡してきて何なのさ、と私もかなりむっとして家に帰って、自分の部屋の電気を点けました。
すると、M美が部屋の中に立っている。びっくりしてると彼女は
青ざめた表情で「お水・・・」と言うので、
コップに水を入れて渡そうとすると、ふっとかき消えてしまいました。
瞬間、全身水を浴びたようにゾーッとして、外に逃げ出し公衆電話からM美の家に電話しても誰も出ない。
悶々とその日を過ごし、翌日もう一度電話するとお母さんが出て
「娘は昨夜亡くなりました。」と言いました。
ガ ンで入院してたそうです。
死亡時刻は夜8時くらいでした。それはちょうど私と彼女が喫茶店を出て街を歩いていた頃でした。
お葬式には、M美の友人が大勢集まりました。
私がこういう経験をするようになったのは、現在の家に引っ越してきてからです。この家は誰が入ってきてもひと月もしないで、また出て行ってしまうという家で、そのおかげで格安で買うことができました。そして、もう10年以上もここに住んでます。
どういう家かというと、私の部屋の天井には、着物の柄がはっきりとわかるくらいの人の形をした滲みが現れて、私が部屋をかわるたびに追うようにしてまた現れる、そういう家です。
おまけ
今、マニアの間で一番のオカルトスポットは日本のチベット、東北某県という書き方はよくないのではっきり書くと、岩手県の雫石にある「慰霊の森」というところだそうです。行ったら最後必ず祟りがあるらしいですよ。 |